2025.02.28

インビザラインができない人の特徴6選。できるが向いていない人の特徴も

インビザラインは、透明なマウスピースを使用した目立たない矯正治療として人気があります。しかし、すべての症例に単独で適応できるわけではなく、インビザラインが向いていないケースも存在します。

例えば、歯並びの状態や口腔内の健康状態、治療への適応力などが大きく関わります。

本記事では、インビザラインが適応できない人の特徴6選と、インビザラインができない場合の代替治療法について詳しく解説します。

「自分はインビザラインで矯正できるのか?」と気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。

インビザラインができない人の
特徴6選

インビザラインができない人の特徴6選

インビザラインは、多くの症例に適応できる矯正治療ですが、すべての人に適しているわけではありません。

歯並びの状態や口腔内の健康状態によっては、インビザラインでは十分な治療結果を得ることが難しいケースがあります。

ここでは、インビザラインが適応できない、または向いていない主な特徴について詳しく解説します。

1.インプラントが埋入されている

インプラントは人工歯根であり、顎骨と一体化(オッセオインテグレーション)しているため、ワイヤーであろうとマウスピースであろうと矯正治療で移動させることができません。

インビザラインは、マウスピースの力で少しずつ歯を動かしていく矯正方法です。

しかし、インプラントは顎の骨にしっかりと固定されているため、他の歯と一緒に動かすことができません。

そのため、インプラントが埋入されている部分を含む矯正が必要な場合は、インビザライン単独では適応できないことがあります。

インプラントがある場合の対応策

部分矯正 インプラントを除いた部分のみをインビザラインで治療する。
インプラント除去後に矯正 矯正治療の計画によっては、インプラントを一時的に除去して治療を進めることも可能ですが、骨組織とインプラント体とがしっかりと密着し、持続した結合状態にある健全なインプラントを除去することは非常に困難になります。
インプラントの上部構造を
作り直す
矯正治療の計画によっては、インプラントを除去するまでは不必要ですが、少しだけ移動させたい、ということもありえます。その場合には、インプラントの上部構造を可能な範囲で形態修正をすることで、対応可能な場合もあります。

2.歯が埋伏している(埋状歯)

埋伏歯(まいふくし)とは、顎の骨の中に埋まってしまっている歯のことを指します。

親知らずや永久歯が適切に萌出していない状態 がこれに該当します。

埋伏歯があると、矯正治療の際に歯が正しく移動しない可能性が高く、特に本来萌出するべき永久歯が埋伏している場合では、インビザライン単独では対応が困難なケースもあります。

埋伏歯がある場合の対応策

埋伏歯を抜歯する 矯正治療前に埋伏歯を抜歯し、歯がスムーズに動く環境を作る。特に親知らずであれば抜歯をすることで、歯の移動スペースを生むことができます。
ワイヤー矯正との併用 埋伏歯を引っ張り出しながら矯正するために、ワイヤー矯正やアンカースクリュー(TADs)、その他装置と組み合わせる。

3.重度の歯周病

歯周病が進行している場合、矯正治療自体が歯周病を悪化させるリスクがあります。

歯周病は、歯を支える歯槽骨が溶ける病気であり、骨が減少した状態では元々歯が動揺している可能性があります。矯正を行うと、歯の動揺が強くなる可能性があります。

というのも、歯周病の原因は細菌ですが、そこに不適切な外力が加わることで歯周病が悪化すると言われているためです。

歯周病がある場合の対応策

まずは歯周病治療を優先 歯科医院で歯周病の進行を抑え、歯茎と骨の健康状態を改善する
軽度の場合は管理しながら矯正 歯周病が軽度であれば、歯科医師の管理のもとインビザラインを行うことも可能

4.重度の叢生(そうせい)

叢生とは、歯が重なり合ってデコボコになっている状態を指します。

軽度の叢生であれば問題なくインビザラインで治療できます。

また重度の叢生の場合、歯を並べるスペースが極端に不足しているため、抜歯をすることで治療可能な場合も多いです。

しかし、上下顎前突と言われる骨格的な要因が大きい場合には、患者様の求める顔つき(顔貌)の変化を起こすことは難しい場合もあります。

また、広範囲に歯を動かす場合は、アンカースクリュー(TADs)や光加速装置などを併用することをお勧めする場合もあります。

重度の叢生がある場合の対応策

  • 抜歯をしてスペースを確保する
  • アンカースクリューや光加速装置を併用する
  • 患者の求めるゴールを達成するためには外科矯正が必要になることもある

5.重度の出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)は、上の前歯が前方に大きく突出している状態を指します。

軽度の出っ歯であればインビザラインでの矯正が十分可能であり、重度の出っ歯の場合でも抜歯をすることで、治療可能な場合が多いです。

また、上顎の骨自体が前方に突出している場合、骨格的な問題を伴うため、インビザラインのみでは改善が難しいケースが多いです。

重度の出っ歯の場合の対応策

  • 抜歯をしてスペースを確保する
  • アンカースクリューや光加速装置を併用する
  • 骨格的な問題がある場合は外科矯正が必要になることもある

6.重度の受け口(下顎前突)

受け口(下顎前突)は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。

軽度の受け口はインビザラインで治療可能ですが、重度のケースでは、歯の移動量が多いためインビザライン単独では難しいことが多いです。

また、下顎の骨格が大きく発達している場合、歯の移動だけではなく、外科的な処置が必要になることもあります。

重度の受け口の場合の対応策

  • 外科矯正が必要になることもある

インビザラインは非常に優れた矯正治療ですが、すべての症例に適応できるわけではありません。

インプラントが埋入されている場合、埋伏歯がある場合、歯周病が重度である場合、また、歯並びの問題が極端に重度である場合などは、インビザライン単独ではなく、その他装置や外科矯正を組み合わせた治療が必要になることがあります。

矯正治療を検討している方は、まず歯科医院で適応可能かどうかの診断を受け、自分にとって最適な治療法を見つけることが大切です。

インビザラインに
向いていない人の特徴

インビザラインに向いていない人の特徴

インビザラインはすべての人に適しているわけではなく、矯正治療の成功には患者様自身の管理能力と治療への積極的な取り組みが必要になります。

ここでは、インビザラインに向いていない人の特徴を解説します。

1.マウスピースの
装着方法・時間を守れない

インビザラインの治療成功には、マウスピースの装着時間を厳守することが不可欠です。

インビザラインは、1日あたり20時間〜22時間の装着が推奨されており、この時間を守らないと計画通りに歯が動かず、治療の遅れや失敗につながる可能性があります。

装着時間を守れないと起こる問題

1.歯の移動が遅れる
  • マウスピースは連続的に圧力をかけることで歯を動かす仕組みになっています。装着時間が短いと十分な力が加わらず、計画通りに歯が移動しません。
  • その結果、治療期間が延びてしまう可能性があります。
2.アライナーが合わなくなる
  • インビザラインは段階的にマウスピースを交換することで歯を動かしますが、装着時間が不足すると歯の移動が進まず、新しいマウスピースが適合しなくなることがあります。
  • マウスピースが合わなくなると、再作成が必要になり、追加費用がかかる場合もあります。
3.後戻りのリスクが高まる
  • 矯正治療中に適切な装着時間を守らないと、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こりやすくなります。
  • せっかくの治療が無駄になってしまう可能性もあるため、毎日決められた時間しっかり装着する習慣が必要です。

こんな人は要注意

自己管理が苦手な人 「今日はサボってもいいかな」と思ってしまう
忙しくて装着時間を確保できない人 仕事や学校の関係で、マウスピースをつけている時間が短くなってしまう
食事や間食の回数が多い人 マウスピースを外す回数が多く、結果として装着時間が短くなってしまう

インビザラインは、装着時間を守ることが前提の治療法であるため、時間管理が苦手な方には向いていない矯正方法かもしれません。

2.マウスピースの管理ができない

インビザラインのマウスピースは取り外しが可能なため、自己管理が必要になります。

しかし、適切に管理できない人は、治療がスムーズに進まないだけでなく、口腔内の健康を損なうリスクもあります。

管理ができないと起こる問題

1.マウスピースを紛失する
  • インビザラインのマウスピースは透明で薄いため、食事中にナプキンやティッシュに包んで置いておくと、誤って捨ててしまうことがよくあります。
  • マウスピースを紛失すると、次のアライナーに進めなくなり、治療計画が大幅に遅れる原因 になります。
2.マウスピースが変形・破損する
  • インビザラインのマウスピースは、高温に弱いため、熱湯で洗ったり、直射日光の当たる場所に置いたりすると変形する可能性があります。
  • また、過度な力を加えて装着・取り外しをするとヒビが入る こともあります。変形や破損したマウスピースを装着すると、適切な矯正力がかからず、治療結果に影響が出ます。
3.清潔に保てず、細菌の温床になる
  • マウスピースの洗浄が不十分だと、細菌が繁殖し、口臭や虫歯、歯周病の原因になります。
  • 毎食後のマウスピースの洗浄が必要ですが、管理が面倒でサボってしまうと、衛生面でのリスクが高まります。
  • 特に、歯の表面にはペリクル(唾液由来の薄い膜)が形成され、これがプラークの足場となる ため、定期的な洗浄が不可欠です。

こんな人は要注意

ものをよく失くす人 小さなものをなくしやすい
衛生管理が苦手な人 歯磨きやマウスピースの洗浄を怠りやすい
忙しくてケアに時間をかけられない人 出先で洗浄や収納を忘れやすい

インビザラインは、適切な管理ができる人に向いている矯正方法です。自己管理が苦手な場合、ワイヤー矯正の方が向いている可能性があります。

インビザラインは、装置が目立ちにくく、取り外しが可能なメリットがある一方で、装着時間の厳守やマウスピースの管理が必要になる治療法です。

  • マウスピースの装着時間を守れない人
  • マウスピースの管理ができない人

このような人は、インビザラインよりもワイヤー矯正の方が適していると考えるのも一理あります。

しかし、ワイヤー矯正での歯磨きのしにくさや、ワイヤー矯正であれば食後に歯磨きをしなくてよいわけではありません。

より徹底した口腔ケアが必要になるため、そもそも自身の口腔内への意識を強く持つことができない人は矯正治療に向いていないと言わざるを得ません。

インビザラインができない人向けの
矯正方法

インビザラインができない人向けの矯正方法

「私はインビザラインでは治療ができないのではないか?」と不安を抱く方は少なくありません。

しかし、実際にはほとんどの症例でインビザラインを主とした治療が可能です。

近年の技術の進歩により、従来ワイヤー矯正でしか対応できなかったケースでも、補助装置を併用することでインビザラインによる治療が実現できるようになっています。

ここでは、インビザライン矯正をより効果的に進めるための補助装置について解説します。

1.アンカースクリュー(TADs)の併用

歯を大きく移動させる場合や、しっかりとした固定源が必要な症例では、アンカースクリュー(TADs)を併用することで、インビザライン単独では難しい動きを補うことが可能になります。

アンカースクリューとは

顎の骨に小さなスクリューを埋め込み、それを固定源として歯を動かす方法です。

ワイヤー矯正では一般的に使用されますが、インビザライン矯正でも活用することで、特定の歯の移動をコントロールしやすくなります。

アンカースクリューの利点

  • 歯の大きな移動が可能
  • 抜歯を伴う症例にも対応可能
  • 効率的な歯のコントロールが実現

例えば、出っ歯(上顎前突)や受け口(反対咬合)など、前歯の大きな後退が必要なケースでも、アンカースクリューを併用することでスムーズな治療が可能になります。

2.顎間ゴムの使用

顎位(下顎の位置による噛み合わせ)の変更を狙う場合や、個々の歯に力をかけたい場合には顎間ゴムを使用する場合があります。

顎間ゴムとは

上下のマウスピースに小さなフックを加工する、もしくは歯の表面にリンガルボタンという突起を装着し、そこにゴムを引っ掛けることで、歯を前後に移動させたり噛み合わせを調整したりする矯正方法です。

顎間ゴムの利点

  • 前後の歯の移動を補助
  • 出っ歯や受け口の改善が可能
  • 噛み合わせのズレを調整できる

3.光加速装置の併用

インビザラインの治療をよりスムーズに進めるために、光加速装置を使用することも有効です。

光加速装置とは

近赤外線や微小振動を利用し、骨代謝を促進することで、歯の移動速度を向上させたり移動の確実性を向上させる装置です。

これにより、インビザライン矯正の治療期間を短縮できる可能性があります。

光加速装置の利点

  • 歯の移動がスムーズに進む
  • 痛みの軽減が期待できる
  • 治療期間を短縮できる可能性がある

特に、矯正期間をできるだけ短くしたい方や、成人矯正で歯の移動が遅くなりやすい方に適した装置です。

インビザラインができるか知りたい方は、
岡山市北区のKAM Dental OKAYAMAにご相談ください

インビザラインの治療期間についてお悩みの方は、岡山県のKAM Dental OKAYAMAにご相談ください

インビザラインが自分に適しているかどうか、不安に思っている方は多いのではないでしょうか?

当院では、患者様一人ひとりの歯並びや口腔状態を丁寧に診査し、最適な矯正治療のプランをご提案いたします。

「歯並びが悪いけど、インビザラインで治療できるのか?」「他院で難しいと言われたけれど、可能性はあるのか?」といったお悩みも、ぜひ一度ご相談ください。

アンカースクリューや顎間ゴム、光加速装置の併用により、従来インビザライン単独では対応が難しいとされていたケースでも治療が可能になる場合があります。

KAM Dental OKAYAMAでは、確かな治療の技術と年間1,000症例以上の実績を元に、患者様のご希望に寄り添った治療を提供しております。

インビザライン矯正をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。