2025.03.14

インビザライン中にホワイトニングはできる?おすすめのタイミングは?

インビザラインで歯並びを整えると同時に、ホワイトニングで歯を白くしたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこで気になるのが、「矯正治療中にホワイトニングを併用できるのか?」という疑問です。

インビザライン治療はマウスピースを使用する矯正方法であり、ホワイトニングとの併用には特有の注意点があります。

本記事では、ホワイトニングの基本的な仕組みや方法、矯正治療中にホワイトニングが可能かどうか、さらにおすすめのタイミングや併用のメリットと注意点をわかりやすく解説します。

理想的な笑顔を目指すために、インビザラインとホワイトニングの正しい進め方を理解しましょう。

インビザライン中に
ホワイトニングはできる?

インビザライン中にホワイトニングはできる?

結論として、インビザライン中にホワイトニングを行うことは可能です。

後述しますが、ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニング、患者様自身で行うホームホワイトニング、両者を組み合わせて行うデュアルホワイトニングがあります。

当院ではこのどれもが、インビザライン治療中に行えると考えております。特に、ホームホワイトニングでは、ホワイトニングジェルを保持するための専用トレーを作成する必要がありますが、この役割をインビザラインのマウスピースが果たしてくれるため、作成費用や手間を省くことができ、たくさんの方に喜ばれています。

しかし、矯正治療中に行うからこその注意点もあり、その理解は大切です。そのため、ホワイトニングを行う際は必ず歯科医師と相談し、適切な方法を選択しましょう。

インビザライン中にできる
ホワイトニングの種類

インビザライン中にできるホワイトニングの種類

インビザライン治療中にホワイトニングを行う場合、目的やライフスタイルに応じた方法を選ぶことが重要です。

それぞれの方法には特徴やメリット・デメリットがあります。

ここでは、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニングの3種類を詳しく解説し、それぞれの化学的基礎についても触れます。

オフィスホワイトニング

特徴

オフィスホワイトニングは、歯科医院にて歯科医師や歯科衛生士が施術する方法です。高濃度の過酸化水素(H₂O₂)を主成分とした薬剤を使用し、光や熱を用いて効果を促進します。

この方法は即効性があり、1回の施術で目に見える効果を得られるのが特徴です。

化学的基礎

オフィスホワイトニングの高濃度過酸化水素は、歯のエナメル質と象牙質に浸透し、以下のような化学反応を引き起こします。

  1. 過酸化水素の分解過酸化水素(H₂O₂)は分解されて活性酸素(O₂⁻やOH⁻)を生成します。H₂O₂ → 2OH⁻(活性酸素の生成)
  2. 色素分解活性酸素が歯の内部の着色分子(クロモフォア)の二重結合を切断し、無色の分子に変化させます。OH⁻ + 色素分子 → 無色分子
  3. 光と熱の影響光や熱を当てることで、過酸化水素の分解速度が加速され、効果が短時間で発揮されます。

費用・回数

費用 1回あたり2万~4万円程度
回数 1~3回程度

メリット

  • 短期間で効果を実感できる。
  • 専門的な施術で均一な仕上がりが期待できる。

注意点

  • 高濃度薬剤の使用により、知覚過敏が発生する可能性が高い。
  • 所要時間が長く、費用も相対的には高くなること。

ホームホワイトニング

特徴

ホームホワイトニングは、自宅で行う低濃度の過酸化尿素(CH₆N₂O₃)を主成分とした薬剤を使用する方法です。

インビザラインのマウスピースをトレーとして使用できるため、追加のトレー作成費用が抑えられる場合があります。

薬剤を塗布したマウスピースを一定時間装着し、継続的に行うことで白さを実現します。

化学的基礎

過酸化尿素は、過酸化水素と尿素に分解される化学特性を持ちます。

  1. 分解と活性酸素の生成CH₆N₂O₃ → H₂O₂ + CO(NH₂)₂(過酸化尿素が分解され過酸化水素を生成)、過酸化水素が活性酸素を生成し、着色分子を分解します。
  2. 浸透と持続効果低濃度で長時間作用するため、歯への負担を抑えながら持続的に効果を発揮します。

費用・回数

費用 1万円~3万円程度(薬剤代含む)
回数 毎日1~2時間装着を数週間続ける

メリット

  • 自分のペースで進められる。
  • 低濃度薬剤のため、知覚過敏のリスクが軽減される。

注意点

  • 効果が出るまでに時間がかかる。
  • インビザラインのマウスピースを使用する際は、薬剤の適量を守る必要がある。

デュアルホワイトニング

特徴

デュアルホワイトニングは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせた方法で、即効性と持続性を両立させます。

初回は高濃度薬剤で効果を引き出し、ホームホワイトニングで白さを維持します。

化学的基礎

この方法では、過酸化水素と過酸化尿素の両方の作用を活用します。

  1. 即効性(オフィスホワイトニング)高濃度過酸化水素が活性酸素を迅速に生成し、短時間で色素を分解します。
  2. 持続性(ホームホワイトニング)低濃度の過酸化尿素が、持続的に活性酸素を供給し、効果を長続きさせます。

費用・回数

費用 4万円~8万円程度
回数 オフィス1~2回+ホーム用薬剤数週間

メリット

  • 即効性と持続性を兼ね備えた方法。

注意点

  • 費用が高額になりやすい。
  • オフィスホワイトニング特有の知覚過敏リスクが高い。

インビザライン中にホワイトニングを行う場合、オフィス、ホーム、デュアルホワイトニングのいずれかを選択できます。

それぞれの方法は化学的なメカニズムに基づき、特有の効果を発揮します。歯科医師や歯科衛生士と相談し、自身の状態や目的に合った方法を選ぶことで、より安全かつ効果的なホワイトニングが可能です。

インビザライン中の
ホワイトニングについて

インビザライン中のホワイトニングについて

インビザライン治療中にホワイトニングを同時に行うことには、大きなメリットがあります。

その一つが、インビザラインのマウスピースをホワイトニングトレーとして活用できる点です。

通常、ホワイトニングを行う際には専用のトレーを作成する必要がありますが、インビザライン治療中であればその必要がなく、時間と費用の節約につながります。

また、矯正治療中は1日20時間以上の装着が求められるため、ホワイトニングのためだけに別途マウスピースを装着する必要がなくなる点も効率的で一石二鳥といえます。

さらに、インビザライン治療中に歯が白くなることで、見た目の変化を早く実感できるのも大きな魅力です。

特に、審美的な改善を求めて矯正治療を選択した方にとっては、歯並びの改善と同時に色調が整うことで、理想の口元に近づける実感が得られます。

こうした変化は、矯正治療のモチベーション維持にもつながり、治療計画を順調に進める助けとなります。

ただし、インビザラインとホワイトニングを同時に行う場合には、だからこその注意点も存在しますので、専門家に相談しながら進めることが重要です。

インビザライン中に
ホワイトニングを行う際の注意点

インビザライン中にホワイトニングを行う際の注意点

インビザライン治療中にホワイトニングを行うことで、歯並びと歯の白さを同時に改善できるメリットがあります。

しかし、効果を最大化し、トラブルを防ぐためにはいくつかの注意点を押さえる必要があります。

1.アタッチメントがある部分に薬剤が届きにくい

インビザラインでは、歯の動きをサポートするためにアタッチメントが歯に装着されることがあります。

ホワイトニングジェルは、アタッチメントがある部分の歯面に、表面からは行き渡りません。それ故、色ムラが生じる可能性があるといわれることがあります。

しかし、歯の表面から内部に浸透した薬液による化学反応であるため、実際には色ムラがでたことは今までありませんが、使用する薬液の種類や濃度によっては起こり得る可能性を否定はできません。

その場合には、治療が終了した際に全体を均一にホワイトニングし直す必要があるかもしれません。この点は事前に理解しておくことが重要です。

2.知覚過敏が起きやすい

そもそも矯正中では、歯を動かすことで知覚過敏が生じる可能性があります。また、ホワイトニングの効果は歯の内部に薬液が浸透した結果生じます。

歯の内部では象牙細管を介して歯の神経に刺激が伝わることで痛みが生じます。これらが組み合わさり通常よりも痛みに敏感になる可能性はあります。

3.ホワイトニングの装着時間に注意

ホームホワイトニングでは、専用ジェルを一定時間歯に作用させる必要がありますが、これを就寝中に行うと装着時間が推奨時間を超える場合があります。

長時間の使用は知覚過敏や歯茎への刺激を引き起こすリスクが高まるため、時間を守って使用することが大切です。

4.マウスピースが不衛生で薬剤の効果が得られない可能性

インビザラインのマウスピースをホワイトニングトレーとして使用する場合、マウスピースの洗浄が不十分である場合に、プラークが付着することで薬剤が十分に歯面に塗布されないことも懸念されます。

またこれは歯の清掃状況にも言えることですので、ホワイトニングを行う際には、しっかりと歯磨きを行った後にするとよいでしょう。

インビザライン治療中にホワイトニングを行う場合、アタッチメントによる色ムラや知覚過敏、装着時間の調整などに注意が必要です。

安全かつ効果的にホワイトニングを進めるためには、歯科医師の助言を基に慎重に計画を立てることが大切です。適切なケアを行いながら、美しい歯並びと白い歯を手に入れましょう。

インビザライン治療前に
ホワイトニングを行う場合

インビザライン治療前にホワイトニングを行う場合

メリット

  1. 矯正治療開始時点で白い歯を手に入れられるホワイトニングを事前に行うことで、治療開始直後から歯が美しく見える状態に変化する可能性があります。
    特に、インビザラインは透明なマウスピースを使用するため、審美性を保ったまま矯正ができます。治療中の歯の色が白くなることで審美性にさらに良い影響を与えます。
    治療中の見た目を重視する方にとって、これは大きな利点となるでしょう。
  2. ホワイトニングによるモチベーション向上矯正治療は数ヶ月から数年に及ぶ長期間のプロセスです。
    その間、歯が徐々に動いていくため、大きな変化を実感できるまで時間がかかります。
    一方で、ホワイトニングは矯正治療と比較すると短期間で効果を実感できる場合があるため、矯正に対するモチベーションが向上 することがあるでしょう。

デメリット

  1. 歯の移動による色ムラのリスクインビザラインによる矯正治療では、歯の位置が大きく変化します。
    ホワイトニングを先に行っても、矯正によって新たに露出した部分とホワイトニング済みの部分で色の違いが生じる可能性があります。
    これは、特に歯の裏側や接触面に顕著に現れ、矯正後に追加のホワイトニングが必要になることがあります。
  2. 失活歯との色調の差が目立つ矯前歯付近に失活歯があり矯正治療をするケースもあるでしょう。
    その際に、先んじてホワイトニングをすることで、見える範囲の歯の色調を白くすることができますが、失活歯はその変化に取り残されてしまうため、結果として暗く目立ってしまう可能性があります。

インビザライン治療後に
ホワイトニングを行う場合

インビザライン治療後にホワイトニングを行う場合

メリット

  1. 均一で理想的な仕上がりを実現矯正治療後にホワイトニングを行うことで、すべての歯が最適な位置に並んだ状態でホワイトニング剤を均等に作用させることができます。
    その結果、矯正中に発生する可能性のある色ムラのリスクを回避し、より一貫した白さを実現できます。
  2. アタッチメントの影響を受けない矯正治療完了後は、アタッチメントが取り外されるため、ホワイトニング剤が歯全体に均等に浸透しやすくなります。
    矯正中にアタッチメントが影響していた部位も、治療後ならば均一に漂白することが可能となり、より美しい仕上がりが期待できます。
  3. 矯正による歯のダメージを考慮できる矯正治療は歯に一定の負荷をかけるため、治療後に歯のエナメル質がわずかに摩耗している場合があります。このような状態のままホワイトニングを行うと、知覚過敏のリスクが高まります。
    しかし、矯正完了後に歯科医と相談しながら適切な方法を選ぶことで、歯の健康状態を考慮しつつ最適なホワイトニングを実施することができます。

デメリット

  1. 審美面の変化がでるまでに時間を要するインビザライン治療中、コーヒーや紅茶、ワインなどの着色性飲料を頻繁に摂取すると、歯に着色が起こることがあります。
    また、矯正完了後にホワイトニングを行うとしても、治療中に歯の色が気になり、それがストレスになる可能性があります。
  2. 矯正完了後にホワイトニングを後回しにするリスクインビザライン治療が終わると、矯正による歯並びの改善に満足してしまい、「ホワイトニングはまた今度でいいか」と後回しにしがちです。
    結果として、矯正後にホワイトニングを計画していたものの、結局行わないままになってしまうケースも少なくありません。

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ホワイトニングとインビザラインをうまく併用することで、理想的な白く美しい歯並びを目指すことができます。

KAM Dental OKAYAMAでは、患者様一人ひとりの口腔状態に合わせた最適な治療計画を提案し、矯正治療とホワイトニングの効果を最大限に引き出すサポートを行っています。

美しい歯並びと白い歯を両立するために、経験豊富な歯科医師がしっかりとカウンセリングを行い、最適な治療方法をご提案いたします。

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